出会い
このアカウントは、ASKAさんのブログのコメント欄に作品の感想等を書くために作った。
であるから、重い筆をとって、ASKAさんを知ったきっかけなどしたためたいと思う。
それは昔、私が初めてカラオケに行ったときのことだった。
一緒にいたうちのひとりが、「SAY YES」を歌ったのだ。
私はまったく音楽シーンに明るくなく、その曲を知らなかったのだが、ガーンと頭に衝撃をくらったようだった。
巻き込まれていくようなメロディだった。
また幸いなことに、それを歌った人は歌がたいへん上手かった。
聞き惚れるような歌い方だったのも、私にとってこの曲とのラッキーな出会いだった。
それから、気になり始めると、この曲は至るところでかかっているではないか。
当然ドラマも観た。良かった。
もっと他の曲も聴いてみたいと思っていたが、二つ目の幸いが私を助けた。
いとこがチャゲアス好きで、いくつかダビングしたカセットをくれたのだ。
そこからは、何度も何度もくり返し聴いた。
そして、CDレンタル屋にいって自分でもせっせと借りた。
とくに気に入ったCDは購入した。
一番のお気に入りは、ベストアルバムではあるが『The Story of Ballad』だった。
「迷宮のレプリカント」、「Far away」、「風のライオン」あたりがお気に入りだった。
短調ばかりではないか。
我ながら暗いやつだ。
ちなみに「天気予報の恋人」は歌詞に出てくる恋人に猛烈に嫉妬したので、嫌いだった。
なんとなくエロそうな歌詞なところが余計に腹立った。
「恋人はワイン色」は、別れた恋人を歌っているらしき歌詞だったのでさほど嫉妬心はわかなかったし、わいたとしてもメロディの甘美さには降伏せざるを得なかった。
私自身、自分はASKAの作るメロディーに惹かれていることに意識的だった。
Aメロ Bメロ Cメロ(サビ?)ときて、さらに展開を見せるDメロが入っているのだから。
世間には、AメロBメロだけで作られているような曲が五万とあるというのに、ASKAの作る曲にはメロディーがなんと惜しげもなくふんだんに使われていることか!
豊かな才能に満ちあふれているが、それだけでなく、不断の努力をしているのだな、ということがうかがえた。
そうこうするうちに、『GUYS』が発売された。
リアルタイムで発売されたばかりのアルバムを購入できたのは初めてだった。
これもまた、衝撃をくらった。
表題曲である。
しょっぱなから、キャッチーとは言えないが蠱惑的なメロディーが、どんどん展開されていくではないか。
しかも、展開されたまま元に戻ってこず、新しいメロディーがどんどん積み重なっていく。
それまでの曲は、なんだかんだ言ってもキャッチーなフレーズにちゃんと帰結しており、安心して聴けたが、逆にいえば大衆受けを狙いに行っている感はあった。
しかし、これはキャッチーさをかなぐり捨てている。
それが私の胸を撃ち抜いた。
よく考えてみれば、私はクラシックの中でも甘美な不協和音を奏でるラヴェルを愛好している。
安定した和音では物足りないのだ。
「GUYS」を聴いて、そうそう心の中で求めていたのはこれなんだよ!と思った・・・
いや、はっきりそう思ったかどうかはわからないが、最初の驚きと、その一瞬後にしっくり満足感がやってきた感覚は覚えている。
このアルバムは、その後も素晴らしい楽曲が続いている。
CHAGEの曲も、「だから・・・」や「夢」など、好きだった。
「if」がタイアップされていたので、Panasonicのウォークマンを購入し、それでチャゲアスの曲を存分に聴いた。
それなのに・・・
近年『ぴあ』に載ったASKAのインタビューを見ると、ASKAの使っている(いた?)ウォークマンは、なんとSONYではないか。
だまされた・・・。